2004年 07月 13日
My Digital Camera Histry Vol.4 ミノルタ DiMAGE 7Hi |
D100用のジャコブソン消音ケースと同等品の製作の計画を進める一方で、それが完成するまでの間、D100のシャッター音問題をどうするかという事も考えなければならなかった。一番簡単な方法は、アコースティックライブやお芝居の撮影は従来通りE-10を使うという方法だったが、書き込み処理の遅さとAF誤動作の問題があるからD100を購入したという経緯もあり、その点には不安があった。
E-10の書き込み処理の遅さだけでも解消されないか、それが無理ならバッファ容量だけでも増えないかと期待したE-10の後継機種E-20でも、それは解消されなかった。
E-10発売当初から指摘されている書き込み処理の遅さが後継機種でも改善されない事に苛立つE-10ユーザーにとって気になる存在がミノルタのDiMAGE 7Hiだった。
DiMAGE 7HiはE-20と同じ2/3型500万画素CCDを搭載したEVF(液晶ビューファインダー)を持つ一眼タイプのデジカメだ。
初代のDiMAGE 7はAFの遅さが指摘されていたが、それは改良モデルのDiMAGE 7iで大幅に改善され、更に限定仕様のDiMAGE 7Hiは連写速度の向上や、バッファ容量の増量等が成された特別仕様だった。
元々書き込み処理ではE-10よりも速い機種だったが、バッファ増量によりJPEG最高画質で10枚の連続撮影が可能なのは魅力だった。E-10にも同じ様な改良が施されれば良かったのにと切実に思ったものだ。
AFはCCDコントラスト検出式の為、E-10のデュアルAFよりは遅かったが、CCDコントラスト検出式としては群を抜いて高速のため、E-10でAF誤動作の元となるアクティブAFを切ってCCDコントラスト検出式のみで動作させる場合と比べるとかなり高速だった。
だが、レンズがE-10より暗いこと、E-10よりもノイズレベルが高い画質に不満もあった。しかし、E-10をメインに使いながら、E-10の弱点を補う為に併用するのには適切なモデルではないかと思い、思い切って購入することにした。
購入して画質を確認すると、ISO800でのあまりのノイズレベルの高さに絶句してしまった。レンズがE-10よりも暗いため、ライブ撮影ではISO800を使わざるを得ないと思っていたのでショックだったが、ノイズレベルの高さにはシャープネスが標準で強くかかり過ぎている影響もあることが分かり、シャープネスを弱めることでかなり改善され、何とか許容範囲内のレベルに抑えられライブ撮影にも使えそうだと思った。
そして初のライブ撮影では、アコースティックライブでE-10のサブとして使用することにした。初撮影なので、なるべくE-10をメインで使い、書き込み処理で待たされる間DiMAGE 7Hiでフォローするつもりだったが、いざ撮影を開始すると書き込みで待たされないDiMAGE7Hiの快適性が際立ち、逆にE-10の書き込み処理の遅さがいつも以上に気になり、結果としてついついDiMAGE 7Hiでの撮影枚数の方が圧倒的に多くなってしまった。
DiMAGE 7HiのEVFではE-10の光学ファインダーと違い、シンガーの表情が確認しづらいなど問題もあったのだが、書き込み処理で待たされない快適さはそれを上回る好印象だった。
しかし、撮影した写真をPCで確認して唖然としてしまった。撮影開始から10数分程度までの写真は事前に試写で確認した時と同じ、何とか許容範囲と思えるノイズレベルだったのが、それ以上時間が経過すると急激にノイズレベルが上昇して許容範囲を越えてしまっていたのだ。
おそらくは連続撮影によってCCDが発熱してノイズレベルが上昇してしまったようだった。E-10ではその様な事はなかったのだが、E-10に比べて大幅にコンパクトなDiMAGE 7HiのボディはCCDの近くに電池やメモリーカードなど発熱しやすい物が接近してしまうのに加えて、熱がこもりやすく熱が逃げにくいというデメリットがあるのだろうと思う。
結局DiMAGE 7Hiはライブ撮影には使えないという結論を下すしかなかった。しかし、特に長時間連続する様な事をしない普通の撮影では問題はないし、コンパクトで、35mm換算で28-200mm相当のズームレンジを持つレンズを搭載している事を考えるとお散歩用カメラとしては最適だし、グリップ部のフィーリングや操作感等も気に入っていたので、ライブ撮影以外に使用する為に手許に置いておこうと考えていた。
しかし、そう思っていた矢先に思いもしなかったスペックのカメラが発売された事により、そのカメラの購入資金の一部となるために僕とDiMAGE 7Hiの付き合いはあまりに短い期間で終わりを迎える事になってしまったのだ。
by ko1kubota
| 2004-07-13 20:20
| Camera