2005年 03月 13日
孤独で自由な王 |
今まで日本酒をあまりおいしいと思った事はないのだが、先日i n Fでマスターにレクチャーして貰いながらメニューの中で最も辛口な越乃寒梅をいただいたのだが、非常においしくて日本酒への見方が変わってしまった。
今まで日本酒はどうも甘ったるい印象で苦手だったのだが、あまり辛口の日本酒を呑んでいなかったのが原因なのだろう。日本酒への関心が高まって、辛口の日本酒をちょっと買って呑んでみようかな?と思ったら、コンビニで月桂冠の『辛口派』という日本酒の紙パックを見つけて試しに買ってみる。だが、やはりちょっと甘ったるい感じがしてしまう。辛口の度合いの差かもしれないが、単純に値段の差かもしれない。
しかし、この紙パックには『辛口派万歳』というコラムが載っていて、そこに書かれていたカントの言葉はなかなかだった。
私は孤独である。 私は自由である。 私はみずからの王である。
『辛口派』よりもこの言葉の方が心に染みた。僕は孤独な人間である。そして、やはりそれ故に自由であると思っていたし、そういう人生を良しとして生きてきた。正しくあの頃の僕はみずからの王だった。
だけどある日、僕は孤独から解放された。いや、解放されたと錯覚していただけだったのだろう。しかし、その錯覚と共に過ごした日々は歓喜に満ちていた日々だった。
しかし、その日々は長くは続かなかった。その錯覚から醒めた時、前より深い孤独が僕を待っていた。
その深い孤独の奈落の底で、2年は苦しみもだえたと思う。だが、その苦しみを乗り越えた時、僕は自分の胸の奥に宝石の様に光る何かを発見した。前より深い孤独と生きる人生は、その何かと共に生きる人生でもある。その人生もまた悪くはない。
そして苦しみも消えた訳ではない。その何かと苦しみは、孤独で自由な王の胸に輝く勲章の様なものだ。
僕は孤独だが、完全な孤独ではない。どんな人間でも第三者との関わりを持たずに生きる事は出来ない。その小さな関わりのひとつひとつは、やはり大きな輝きであるのは確かだ。
僕は僕の愛するアーティスト達にレンズを向けている瞬間孤独を忘れている。その瞬間、僕は僕の愛するアーティスト達と何らかの繋がりを持ったという感覚に浸る事が出来る。
しかし、僕は今はもうそれが錯覚である事を知っている。僕は決してレンズの向こう側に行く事は出来ない。いつもファインダーのこちら側にいるのは僕一人なのだ。やはり僕はどこまで行っても孤独であり続けるのだろう。
写真とは、孤独で自由な王に残されたささやかな遊戯なのだと思う。
今まで日本酒はどうも甘ったるい印象で苦手だったのだが、あまり辛口の日本酒を呑んでいなかったのが原因なのだろう。日本酒への関心が高まって、辛口の日本酒をちょっと買って呑んでみようかな?と思ったら、コンビニで月桂冠の『辛口派』という日本酒の紙パックを見つけて試しに買ってみる。だが、やはりちょっと甘ったるい感じがしてしまう。辛口の度合いの差かもしれないが、単純に値段の差かもしれない。
しかし、この紙パックには『辛口派万歳』というコラムが載っていて、そこに書かれていたカントの言葉はなかなかだった。
私は孤独である。 私は自由である。 私はみずからの王である。
『辛口派』よりもこの言葉の方が心に染みた。僕は孤独な人間である。そして、やはりそれ故に自由であると思っていたし、そういう人生を良しとして生きてきた。正しくあの頃の僕はみずからの王だった。
だけどある日、僕は孤独から解放された。いや、解放されたと錯覚していただけだったのだろう。しかし、その錯覚と共に過ごした日々は歓喜に満ちていた日々だった。
しかし、その日々は長くは続かなかった。その錯覚から醒めた時、前より深い孤独が僕を待っていた。
その深い孤独の奈落の底で、2年は苦しみもだえたと思う。だが、その苦しみを乗り越えた時、僕は自分の胸の奥に宝石の様に光る何かを発見した。前より深い孤独と生きる人生は、その何かと共に生きる人生でもある。その人生もまた悪くはない。
そして苦しみも消えた訳ではない。その何かと苦しみは、孤独で自由な王の胸に輝く勲章の様なものだ。
僕は孤独だが、完全な孤独ではない。どんな人間でも第三者との関わりを持たずに生きる事は出来ない。その小さな関わりのひとつひとつは、やはり大きな輝きであるのは確かだ。
僕は僕の愛するアーティスト達にレンズを向けている瞬間孤独を忘れている。その瞬間、僕は僕の愛するアーティスト達と何らかの繋がりを持ったという感覚に浸る事が出来る。
しかし、僕は今はもうそれが錯覚である事を知っている。僕は決してレンズの向こう側に行く事は出来ない。いつもファインダーのこちら側にいるのは僕一人なのだ。やはり僕はどこまで行っても孤独であり続けるのだろう。
写真とは、孤独で自由な王に残されたささやかな遊戯なのだと思う。
by ko1kubota
| 2005-03-13 04:01
| Diary