2005年 03月 20日
function code();のポートレートの撮影 |
SPEED-iDのEUROさんから、EUROさんがプロデュースしているバンドfunction code();の撮影を頼まれる。
撮影はライブ撮影ではなく、CDジャケットや宣材として使われる予定のポートレートという事で、ポートレートはほとんど経験がないため期待されている様な写真が撮れるかどうか不安もあったのだが、EUROさんは前回撮影したSPEED-iDのライブ写真を気に入ってくれたようで、僕を買ってくれて依頼して来てくれた様なので、その気持ちにはお応えしたいという思いもあり、思いきってチャレンジしてみる事にした。
撮影はライブ撮影以外の経験の浅い僕に配慮してくれたのか、アコースティック系のライブハウスを借り切って行われる事になった。ライブハウスを借り切っての撮影は、function code();への期待の大きさの現れでもあるだろうが、改めて責任重大だと身の引き締まる思いで撮影に臨んだ。
撮影場所に選ばれたライブハウスは非常に雰囲気のいいお店で、function code();のウ゛ォーカルの理科も非常に可能性を感じさせる魅力的な子でEUROさんが力を入れているのも良く理解出来た。モデルが良いと撮影の乗りも良くなり、非常に充実した手応えのある撮影になった。
しかし、その一方でやはり慣れないポートレート撮影故の問題も多く露呈した。先ず、モデルの子が非常に表情豊かで、しかもシャッターを切るテンポに合わせて微妙に表情を変えてくれるので、その表情がどれも素晴らしく、それを余す事なく写真に収めたいと撮影テンポがどんどん上がっていったのだが、それにEOS 10Dの書き込み速度が追い付かず、書き込み処理に待たされてジリジリしながらの撮影となった。
また、ライブハウスでの撮影はライブ撮影の経験が生かせるとやや甘く考えていたのだが、店内の照明だけを使用した撮影はポートレート撮影としてはやはり暗く厳しい面もあった。ライブでないので店内の照明は落としていないので、基本的にはライブよりは明るいものの、前半はスポットライトを使わないで撮影したので、AFの動作条件はむしろライブ撮影より厳しいと言って良かった。
それでも、中央のAFポイントに限ればEOS 10DのAFは低照度に強く優秀なのだが、ポートレートの場合目にピントを合わせるのが基本なので、周辺のAFポイントを使うか、中央のAFポイントを使ってAFロックするしかない。
しかし、周辺のAFポイントは照明の加減で目に前髪の影がかかたりするともう迷ってしまってなかなか合わなくなる。仕方ないので中央のAFポイントを使ってAFロックしながら撮影するカットが多くなったのだが、アップのカット等ではモデルとの距離が近いのでコサイン誤差によるピントズレが気掛かりだし、AFロックして構図を変える間にモデルが動いてもピントズレが心配なので、非常に速く構図変更をしてシャッターを切っていたのだが、気が急いてカメラを止めきらない内にシャッターを切ってしまって手ブレを起こしているのではないかという不安も常に付きまとう事になった。
だから、ある程度照明がちゃんと当たっているアングルでは周辺のAFポイントを使っていたのだが、今度は周辺のAFポイントの精度の低さが気掛かりになった。
撮影してみて改めてポートレートの難しさを痛感した。こう言っては何だが、ライブ撮影であれば多少ピントが甘くても、多少のブレがあったとしても、その場の雰囲気が出ていればそれでOKという場合もないではない。しかし、ポートレートではそれは絶対に許されないだろう。
最初は慣れないポートレートでも、デジタルだからモニターで確認しながら撮れば何とかなるだろうという考えもあったのだが、実際にはほとんど全くと言っていい程撮影画像を再生している時間はなかった。一応持っていった三脚は最初の数カットを撮った時点で取り外し以後は使わず、念のため持って行ったストロボもレフ板も全く使わなかった。
とにかく限られた時間を全て撮影に費やして、撮れるだけの写真を撮って撮影は終了した。
ポートレートを専門にしている人でさえ、こんなに素晴らしいモデルを撮影する機会にはそうそう恵まれないだろうと思う様な素晴らしいモデルを撮影出来たという充実感と、そのモデルにふさわしい充分な写真が撮れただろうかという不安感がないまぜとなった撮影が終了し、脱力感と言っていい程の疲労感が襲って来た。
撮影データを全てEUROさんのノートPCへ転送している時間がなかった為、3枚使用したカードのうち2枚をそのままEUROさんにお預けして帰った為、撮影したデータの大部分をまだ見る事が出来ないのも不安を増大させる。
待ち帰ったカードのデータを見る限りでは、やはりピンボケや手ブレのカットがやや多く、歩留まりが悪いという印象は否めない。救いは枚数を多く撮った為、使えるカットはそれなりの枚数がある事と、持ち帰れなかった後半のカットはスポットライトを使用した為、もっと歩留まりは良かっただろうと思われる事だ。ただ、普通は撮影したデータを依頼者やモデルの人にお渡しする時は当然NGカットは除いてOKカットだけをお渡しするのだが、今回は時間の関係で全てお渡しする事になったので、この歩留まりの悪さは心臓に悪い。
また、ピンズレや手ブレがないカットに関しては、ポートレートの経験の浅い自分としては、ある程度納得出来るカットが撮れていたと思う。
とにかく今の自分の持てる力は全て出し切った撮影だったとは思う。EOS 10Dの能力の限界も感じる撮影だったが、EOS 10Dの能力を可能な限り出し切ったという自負もある。EOS 10Dには、またひとつ一緒に戦った戦友のような絆が深まったという思いも感じたが、そろそろ次のステップを考える段階に来たのではないかという思いも芽生えた。
自分に取って大きな経験となる撮影だったと思う。その結果がEUROさんに満足してもらえるものだったかどうかはまだ分からないが、今回の写真がどのような形で使われる事になるのか非常に楽しみだ。
撮影はライブ撮影ではなく、CDジャケットや宣材として使われる予定のポートレートという事で、ポートレートはほとんど経験がないため期待されている様な写真が撮れるかどうか不安もあったのだが、EUROさんは前回撮影したSPEED-iDのライブ写真を気に入ってくれたようで、僕を買ってくれて依頼して来てくれた様なので、その気持ちにはお応えしたいという思いもあり、思いきってチャレンジしてみる事にした。
撮影はライブ撮影以外の経験の浅い僕に配慮してくれたのか、アコースティック系のライブハウスを借り切って行われる事になった。ライブハウスを借り切っての撮影は、function code();への期待の大きさの現れでもあるだろうが、改めて責任重大だと身の引き締まる思いで撮影に臨んだ。
撮影場所に選ばれたライブハウスは非常に雰囲気のいいお店で、function code();のウ゛ォーカルの理科も非常に可能性を感じさせる魅力的な子でEUROさんが力を入れているのも良く理解出来た。モデルが良いと撮影の乗りも良くなり、非常に充実した手応えのある撮影になった。
しかし、その一方でやはり慣れないポートレート撮影故の問題も多く露呈した。先ず、モデルの子が非常に表情豊かで、しかもシャッターを切るテンポに合わせて微妙に表情を変えてくれるので、その表情がどれも素晴らしく、それを余す事なく写真に収めたいと撮影テンポがどんどん上がっていったのだが、それにEOS 10Dの書き込み速度が追い付かず、書き込み処理に待たされてジリジリしながらの撮影となった。
また、ライブハウスでの撮影はライブ撮影の経験が生かせるとやや甘く考えていたのだが、店内の照明だけを使用した撮影はポートレート撮影としてはやはり暗く厳しい面もあった。ライブでないので店内の照明は落としていないので、基本的にはライブよりは明るいものの、前半はスポットライトを使わないで撮影したので、AFの動作条件はむしろライブ撮影より厳しいと言って良かった。
それでも、中央のAFポイントに限ればEOS 10DのAFは低照度に強く優秀なのだが、ポートレートの場合目にピントを合わせるのが基本なので、周辺のAFポイントを使うか、中央のAFポイントを使ってAFロックするしかない。
しかし、周辺のAFポイントは照明の加減で目に前髪の影がかかたりするともう迷ってしまってなかなか合わなくなる。仕方ないので中央のAFポイントを使ってAFロックしながら撮影するカットが多くなったのだが、アップのカット等ではモデルとの距離が近いのでコサイン誤差によるピントズレが気掛かりだし、AFロックして構図を変える間にモデルが動いてもピントズレが心配なので、非常に速く構図変更をしてシャッターを切っていたのだが、気が急いてカメラを止めきらない内にシャッターを切ってしまって手ブレを起こしているのではないかという不安も常に付きまとう事になった。
だから、ある程度照明がちゃんと当たっているアングルでは周辺のAFポイントを使っていたのだが、今度は周辺のAFポイントの精度の低さが気掛かりになった。
撮影してみて改めてポートレートの難しさを痛感した。こう言っては何だが、ライブ撮影であれば多少ピントが甘くても、多少のブレがあったとしても、その場の雰囲気が出ていればそれでOKという場合もないではない。しかし、ポートレートではそれは絶対に許されないだろう。
最初は慣れないポートレートでも、デジタルだからモニターで確認しながら撮れば何とかなるだろうという考えもあったのだが、実際にはほとんど全くと言っていい程撮影画像を再生している時間はなかった。一応持っていった三脚は最初の数カットを撮った時点で取り外し以後は使わず、念のため持って行ったストロボもレフ板も全く使わなかった。
とにかく限られた時間を全て撮影に費やして、撮れるだけの写真を撮って撮影は終了した。
ポートレートを専門にしている人でさえ、こんなに素晴らしいモデルを撮影する機会にはそうそう恵まれないだろうと思う様な素晴らしいモデルを撮影出来たという充実感と、そのモデルにふさわしい充分な写真が撮れただろうかという不安感がないまぜとなった撮影が終了し、脱力感と言っていい程の疲労感が襲って来た。
撮影データを全てEUROさんのノートPCへ転送している時間がなかった為、3枚使用したカードのうち2枚をそのままEUROさんにお預けして帰った為、撮影したデータの大部分をまだ見る事が出来ないのも不安を増大させる。
待ち帰ったカードのデータを見る限りでは、やはりピンボケや手ブレのカットがやや多く、歩留まりが悪いという印象は否めない。救いは枚数を多く撮った為、使えるカットはそれなりの枚数がある事と、持ち帰れなかった後半のカットはスポットライトを使用した為、もっと歩留まりは良かっただろうと思われる事だ。ただ、普通は撮影したデータを依頼者やモデルの人にお渡しする時は当然NGカットは除いてOKカットだけをお渡しするのだが、今回は時間の関係で全てお渡しする事になったので、この歩留まりの悪さは心臓に悪い。
また、ピンズレや手ブレがないカットに関しては、ポートレートの経験の浅い自分としては、ある程度納得出来るカットが撮れていたと思う。
とにかく今の自分の持てる力は全て出し切った撮影だったとは思う。EOS 10Dの能力の限界も感じる撮影だったが、EOS 10Dの能力を可能な限り出し切ったという自負もある。EOS 10Dには、またひとつ一緒に戦った戦友のような絆が深まったという思いも感じたが、そろそろ次のステップを考える段階に来たのではないかという思いも芽生えた。
自分に取って大きな経験となる撮影だったと思う。その結果がEUROさんに満足してもらえるものだったかどうかはまだ分からないが、今回の写真がどのような形で使われる事になるのか非常に楽しみだ。
by ko1kubota
| 2005-03-20 23:42
| Live Photo