2011年 04月 10日
心音@いするば |
今日はnakedvoiceの富士栄 秀也さん、10string guitar/tenor-recorderの高原朝彦さん、dancer/choreographerの鐘岡美心さんによる即興講演「心音」を撮影させて頂いた。
会場はいずるばという、一見普通の住宅の様な建物で大きな窓もある。
即興公演の前にはNUU(出演/香央里 振付・演出/鐘岡美心)による『静かな漠音』も上演された。当初は振付・出演/香央里 鐘岡美心という作品になる予定だったが、震災の影響による稽古不足などで変更となった。
今回は『静かな漠音』はスチールとビデオ撮影、UST配信を行い、即興公演の方はビデオ撮影とUST配信のみとなった。
『静かな漠音』は2月のヨコハマダンスコレクションで上演された『静かな漠音』のための考察(試作品)の発展的な作品と言って良いと思うが、5人出演者がいた『静かな漠音』のための考察(試作品)と一人だけの出演である今回の『静かな漠音』は大きく印象が違い共通点を見い出すのは難しい。
ひとつ共通点をみつけるとすれば、それは静と動であり、それはこれまでの鐘岡美心さんの作品の多くに共通する点でもある。
ただ、今回の作品は当初考えていた作品とは大きく内容が異なるものになっている筈で、現段階で評価されるのは鐘岡さんも香央里さんも不本意だろうと思う。しかし、鐘岡さんの個性と香央里さんの個性が違和感なく融合している作品にはなっていると思う。
それだけに本来二人が目指していた作品がどんなものだったか観てみたいと思ったが、それを観る機会はまたいずれあると思うので、それを楽しみにしていたい。
即興公演は、先ずは高原さん、富士栄さん、鐘岡さんによりトリオから始まった。僕は鐘岡さんの即興公演はlente.以外は余り観ていない。そのlente.に関しては鐘岡さんの振付作品と大きく印象は変わらないと思っていて、それは鐘岡さんと柳本和宏さんがlente.としてどの様な作品を作り上げて行くか、相談しながら練り上げて行くというスタイルを取っているからで、全くのぶっつけ本番的な即興公演とはやや性格が異なるからではないかと勝手に解釈している。
そういう意味では、今回の即興公演はより本来の即興に近いものではないかと思い、鐘岡さんがどういう踊りを見せてくれるか楽しみだった。
結果としては、振付作品ともlente.ととも違う鐘岡さんを観る事が出来たと思う。でも、それは鐘岡さんらしくないという意味ではなく、やはり鐘岡さんの個性を感じさせるものであり、鐘岡さんがまだ僕の知らない引き出しを沢山持っていたのを感じさせられるものだった。
また、公演中ダンスの鐘岡さんとヴォイスの富士栄さんの役割が逆転するシーンもあり、単純にダンサーとミュージシャンの共演による即興公演という以上のものを感じさせられるものでもあった。
トリオに続いて、鐘岡さんと富士栄さんによるデュオが上演された。当初僕はトリオの出演陣からひとり減ったデュオの上演の意味を量りかねていたが、始まって直ぐに富士栄さんがカーテンを開けて、いずるばの特徴的である大きな窓から、普通の民家の庭を思わせる情景が飛び込んで来て、富士栄さんが、まるで日常の中で気分が良くなって自然と鼻歌が出て来た様なさりげなさで歌い始めた時に、トリオとは全く異なった印象の内容になっている事に感心させられた。
最初は外光だけで照明は全くない状態で始まり、徐々に照明が加わって行き、外の景色が段々暗くなって行くに連れ、照明も強くなって行くという、外光と照明のコントラストが奇麗で印象的な上演だった。
いずるばという特殊な場所だからこそ実現出来た演出であり、公演というのは出演者だけでなく照明や音響等スタッフの力も欠かせないものだという事を再認識させられるものだった。
出演者からすれば、トリオで40分上演した後、またデュオで40分上演するというのは、どうやって違いを出すかという点で難しいと思うのだが、演奏も踊りもトリオとはまた違った切り口を沢山見せてくれて、40分+40分という長丁場の公演だったが、飽きる事なく楽しめるものだったと思う。
公演後は打ち上げにご一緒させて頂いたのだが、出演者の方々からは反省や指摘の言葉が多数聞かれたのが興味深かった。観ている側からすれば、充分良い公演だったと思うのだが、出演者の方々からすれば、もっと良く出来た筈だという向上心があるのだと思う。
そして、その会話が決してネガティブなものではなく、非常に楽しそうなのである。次の機会があればもっと良くしたい、もっと向上したいというポジティブな思いがそうさせているだと思う。
そういうポジティブな思いで活動している方々だからこそ、良い公演を観せて貰えるのだという事を改めて再認識すると共に、そういう空間に同席出来た事が楽しく嬉しかった。
※ワイドサイズの為blogの横幅からはみ出しています。動画をダブルクリックしてフルスクリーンで鑑賞するか、タイトルをクリックしてYouTubeに移動してご覧下さい。
会場はいずるばという、一見普通の住宅の様な建物で大きな窓もある。
即興公演の前にはNUU(出演/香央里 振付・演出/鐘岡美心)による『静かな漠音』も上演された。当初は振付・出演/香央里 鐘岡美心という作品になる予定だったが、震災の影響による稽古不足などで変更となった。
今回は『静かな漠音』はスチールとビデオ撮影、UST配信を行い、即興公演の方はビデオ撮影とUST配信のみとなった。
『静かな漠音』は2月のヨコハマダンスコレクションで上演された『静かな漠音』のための考察(試作品)の発展的な作品と言って良いと思うが、5人出演者がいた『静かな漠音』のための考察(試作品)と一人だけの出演である今回の『静かな漠音』は大きく印象が違い共通点を見い出すのは難しい。
ひとつ共通点をみつけるとすれば、それは静と動であり、それはこれまでの鐘岡美心さんの作品の多くに共通する点でもある。
ただ、今回の作品は当初考えていた作品とは大きく内容が異なるものになっている筈で、現段階で評価されるのは鐘岡さんも香央里さんも不本意だろうと思う。しかし、鐘岡さんの個性と香央里さんの個性が違和感なく融合している作品にはなっていると思う。
それだけに本来二人が目指していた作品がどんなものだったか観てみたいと思ったが、それを観る機会はまたいずれあると思うので、それを楽しみにしていたい。
即興公演は、先ずは高原さん、富士栄さん、鐘岡さんによりトリオから始まった。僕は鐘岡さんの即興公演はlente.以外は余り観ていない。そのlente.に関しては鐘岡さんの振付作品と大きく印象は変わらないと思っていて、それは鐘岡さんと柳本和宏さんがlente.としてどの様な作品を作り上げて行くか、相談しながら練り上げて行くというスタイルを取っているからで、全くのぶっつけ本番的な即興公演とはやや性格が異なるからではないかと勝手に解釈している。
そういう意味では、今回の即興公演はより本来の即興に近いものではないかと思い、鐘岡さんがどういう踊りを見せてくれるか楽しみだった。
結果としては、振付作品ともlente.ととも違う鐘岡さんを観る事が出来たと思う。でも、それは鐘岡さんらしくないという意味ではなく、やはり鐘岡さんの個性を感じさせるものであり、鐘岡さんがまだ僕の知らない引き出しを沢山持っていたのを感じさせられるものだった。
また、公演中ダンスの鐘岡さんとヴォイスの富士栄さんの役割が逆転するシーンもあり、単純にダンサーとミュージシャンの共演による即興公演という以上のものを感じさせられるものでもあった。
トリオに続いて、鐘岡さんと富士栄さんによるデュオが上演された。当初僕はトリオの出演陣からひとり減ったデュオの上演の意味を量りかねていたが、始まって直ぐに富士栄さんがカーテンを開けて、いずるばの特徴的である大きな窓から、普通の民家の庭を思わせる情景が飛び込んで来て、富士栄さんが、まるで日常の中で気分が良くなって自然と鼻歌が出て来た様なさりげなさで歌い始めた時に、トリオとは全く異なった印象の内容になっている事に感心させられた。
最初は外光だけで照明は全くない状態で始まり、徐々に照明が加わって行き、外の景色が段々暗くなって行くに連れ、照明も強くなって行くという、外光と照明のコントラストが奇麗で印象的な上演だった。
いずるばという特殊な場所だからこそ実現出来た演出であり、公演というのは出演者だけでなく照明や音響等スタッフの力も欠かせないものだという事を再認識させられるものだった。
出演者からすれば、トリオで40分上演した後、またデュオで40分上演するというのは、どうやって違いを出すかという点で難しいと思うのだが、演奏も踊りもトリオとはまた違った切り口を沢山見せてくれて、40分+40分という長丁場の公演だったが、飽きる事なく楽しめるものだったと思う。
公演後は打ち上げにご一緒させて頂いたのだが、出演者の方々からは反省や指摘の言葉が多数聞かれたのが興味深かった。観ている側からすれば、充分良い公演だったと思うのだが、出演者の方々からすれば、もっと良く出来た筈だという向上心があるのだと思う。
そして、その会話が決してネガティブなものではなく、非常に楽しそうなのである。次の機会があればもっと良くしたい、もっと向上したいというポジティブな思いがそうさせているだと思う。
そういうポジティブな思いで活動している方々だからこそ、良い公演を観せて貰えるのだという事を改めて再認識すると共に、そういう空間に同席出来た事が楽しく嬉しかった。
※ワイドサイズの為blogの横幅からはみ出しています。動画をダブルクリックしてフルスクリーンで鑑賞するか、タイトルをクリックしてYouTubeに移動してご覧下さい。
by ko1kubota
| 2011-04-10 22:28
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