2012年 11月 16日
松尾一志 ワンマンライブ@千葉 瑞庵II |
今日はフォークロックシンガーの松尾一志さんのライブ撮影&Ustream配信をさせていただいた。
思えば諸事情でコンスタントにライブ撮影活動を行う事が出来なくなり、この数年は声をかけてもらった時だけは、なるべくお断りせずに撮影しようと考えてはいたが、自分の方から撮影を申し込むという事はほとんどしていなかった。
それでも、舞踏家の荒木志珠さんがちょうど良いペースで声をかけて下さっていたので、年に1、2度は撮影機会があるという状態が続いていたが、その荒木さんが京都に拠点を移した事で、声をかけて下さる人がいなくなり、気が付けばもう1年半撮影していない。
このままでは2012年は1度もライブ撮影をせずに終わると思ったら、1年に1度位は撮影をしたいという思いが湧いて来た。しかし、どなたに声をかけて撮影させて頂くかとなると難しい選択だった。
撮影したいアーティストというと、過去に撮影させて頂いた方々全てをまた撮影させて頂きたいという気持ちがある。でも、現実的にそれは不可能だし、どなたか一人だけ選んでお願いするというのも気が引けるというか、他の方に申し訳ないという気持もある。
結果として松尾さんに連絡を取ってみる事にしたのは、松尾さんとはかつて同じ職場で仕事をしていた事もあり、他の撮影させて頂いた事のあるアーティストの方々より近しい存在なので連絡が取り易かったという事もあるが、年齢も近く、また同じ職場で働いていた事もある位なので、社会的に置かれている立場の様なものも近いという事もあり、今撮影させて頂く対象として一番良いのではないかという思いもあったのだと思う。
僕自身、ライブ撮影活動を続けるのが困難な状況にあるのだが、松尾さんもミュージシャンとしての活動を続けるのは決して楽ではない状況だと思う。しかし、困難な状況の中頑張って活動を続けている松尾さんを頼もしく感じるし、同世代として励まされてもいる。
そのリスペクトの気持を持って撮影したいし、その事で僕自身ももっと頑張ろうという気持ちになれるのではないかという思いがあったのだ。
松尾さんからは快く承諾して頂けて、ライブ撮影とUstream配信させて頂く事が決まった。また、今まで写真とビデオの間で揺れ動いて来たが、当面ビデオに集中しようという考えから、今回はスチール撮影はしない事に決めた。今回掲載している写真は全てビデオデータからの切り出しである。
ちょうど2年前のもめん。のライブ撮影の際に突如思いついて始めたUstream配信だが、その時は急だった事もありiPhone1台での配信だったが、その後もっと高画質な配信を模索していたのだが、同じくもめん。のライブ撮影に合わせて購入したパナソニックのムービー一眼LUMIX GH1に撮影時の映像出力がなかった事で、ビデオ撮影用のカメラとは別にUst配信用のカメラを用意するしかなく、1台のカメラに集中出来ない為、その問題を何とかしたいと考えていたが、撮影自体長い期間行っていなかったので、その問題も棚上げにしたままだった。
今回の配信に向けて。その問題を何とか解決したいと考えていた矢先、パナソニックからGHシリーズの最新モデルのGH3がドイツのフォトキナで発表された。
その内容はプロの映像制作者の要望に応えられるもので、撮影時のHDMIスルー出力を搭載していた為、これこそ理想的なカメラと思い、購入を決意して国内発表を待ったが、結局12月13日と発売日がアナウンスされ、選択肢から外すしかなかった。
結局紆余曲折を経て、撮影時1080iのみHDMI出力されるGH2を購入し、HDMI出力をコンポジットへ変換するコンバータを通してPCレス配信機材のCrevo LiveShellに接続して配信する事にした。
ただ、ライブ直前になってLiveShellを通した音声のレベルがかなり小さい事が分かり、手持ちのマイクの出力が小さ過ぎるのかもしれないと考え、当日になってから松尾さんにマイクの手配を頼む等バタバタしての会場入りになった。
ライブハウスに行ってみると、LTE回線の圏外で3G回線の電波しか入らない事が分かった。ただし、EMOBILEの3Gは実効速度が速いし、事前のテスト配信ではライブをする様な時間帯はUstreamのゴールデンタイムでもあり、ネットワーク負荷というかサーバ負荷が大きく、LTE回線の速度を充分に生かす配信は行えない事は分かっていたので、アップロードが3G回線になってしまうのはそれほど大きな問題ではない。
問題の音声レベルの問題は、リハの模様をテスト配信し、それをiPhoneで視聴した所、流石にライブハウスでの演奏は音が大きいので、ややレベルは低いが充分なレベルで配信される事が分かって一安心した。
だが、テスト配信では問題なく配信出来ていたのが、本番が始まって直ぐ、iPhoneで配信を視聴出来なくなり、LiveShellはiPhoneに対応したコーデックではアップロードされていないので、UstreamのサーバでiPhoneで視聴出来る形式にリアルタイムで変換している為、変換の問題なのかオリジナルの配信自体出来ていないのか判別出来なかったので、ノートPCで確認しようとしたのだが、今度はノートPCがモバイルルータには接続出来るものの、インターネットに繋がらないというトラブルが発生した。
結局実際の配信状況が確認出来ないまま、あたふたしている間に第一部は終わってしまい、休憩を挟んで第二部が始まったが、第二部に入ってからはどうやら安定して配信出来る様になった様で、やっと撮影に集中出来る様になった。
後でアーカイブ(録画)を確認した所、何回か中断したりコマ落ちが発生したりしていたものの、思ったよりは録画されていた。しかし、それが配信も同じ状態だったのか、アップロードと録画までは出来ていても配信(ダウンロード)には支障があったのかは今となっては確認出来ない。
また、音声に関してはレベルは何とか充分だったものの、音質が薄くてスカスカな感じで、ライブの臨場感を充分に伝えているとは言い難いものだった。使用したマイクはこれまでカメラでの収録ではそれほど問題は感じた事がなかったので、LiveShellの音声周りが貧弱なのだと思うのだが、マイクが良くなればその分はマシになるだろうと考えて、新しいマイクを買う事にした。
配信に関しては、その様なトラブルもあったが、ライブは素晴らしいものだった。
松尾さんはベテランらしい円熟した演奏とMCでライブを盛り上げて行く。非常にリラックスした雰囲気で和やかで楽しい時間を過ごす事が出来た。
中でも嬉しかったのは現在4thアルバムを製作中という事で、新曲を沢山聴く事が出来た事だ。音楽活動を続けて行く上で、色々と状況的には厳しいものがあると思うのだが、音楽への情熱は覚めやらず、益々円熟した良い楽曲を作っている事に非常に感銘を受けた。
特に『おめめこらせば』は、素晴らしい曲だと思った。松尾さんには『人生は四十歳から』という曲があるが、新曲では『人生は四十歳からなんて、誰かが歌ってたけど・・』という歌い出しで始まり、10年前の自分をまるで他人の様に扱っているが、実際にその10年間の松尾さんの成長、成熟を感じさせられる曲だったと思う。『おめめこらせば』に比べれば、『人生は四十歳から』は良くも悪くも10歳分の若さ、青臭さが感じられる。
『人生は四十歳から』は四十歳以上の年齢層に向けたストレートな応援歌だったけど、『おめめこらせば』は50歳を前にして、気持に身体が着いて行かなくなった自分自身を自虐的に歌った歌で、ペーソスやユーモアを感じさせる曲であり、同性代以上のリスナーであれば、「あるある。」と自分になぞらえて、思わず泣き笑いしてしまいそうな曲だが、ひとしきり笑った後に、「よし、明日からまた頑張ろう。」と思わされる様な、実質的な応援歌になっていると思う。
その様な懐の深い、奥行きのある曲を書いた松尾さんの成長と成熟を強く感じ、非常に嬉しく感じたのだが、それは言い換えれば、この10年間の松尾さんの音楽活動というものが決して順風満帆なものではなく、困難の多いものだったのではないかとも感じさせられた。
しかし、その試練を乗り越え、その経験が松尾さんの曲を頼もしく、力強いものにしたのではないかと思う。
やはり松尾さんのライブを撮影させて頂く事にして良かったと思った。そして、頑張っている松尾さんの姿に励まされ、僕自身ももっと頑張らなければという気持にさせられたし、おぼろげながら今後やっていきたい事も見えて来た。
今回のライブは僕にとっても転機となるライブになったかもしれない。いずれにしても、1年半以上停滞してたライブ撮影活動の新しい一歩を踏み出した事は確かだし、やはりライブは良い、ライブ撮影は楽しいという事を再確認したライブだった。
Matsuo Kazushi Website:http://www33.ocn.ne.jp/~rocking_pine99/
思えば諸事情でコンスタントにライブ撮影活動を行う事が出来なくなり、この数年は声をかけてもらった時だけは、なるべくお断りせずに撮影しようと考えてはいたが、自分の方から撮影を申し込むという事はほとんどしていなかった。
それでも、舞踏家の荒木志珠さんがちょうど良いペースで声をかけて下さっていたので、年に1、2度は撮影機会があるという状態が続いていたが、その荒木さんが京都に拠点を移した事で、声をかけて下さる人がいなくなり、気が付けばもう1年半撮影していない。
このままでは2012年は1度もライブ撮影をせずに終わると思ったら、1年に1度位は撮影をしたいという思いが湧いて来た。しかし、どなたに声をかけて撮影させて頂くかとなると難しい選択だった。
撮影したいアーティストというと、過去に撮影させて頂いた方々全てをまた撮影させて頂きたいという気持ちがある。でも、現実的にそれは不可能だし、どなたか一人だけ選んでお願いするというのも気が引けるというか、他の方に申し訳ないという気持もある。
結果として松尾さんに連絡を取ってみる事にしたのは、松尾さんとはかつて同じ職場で仕事をしていた事もあり、他の撮影させて頂いた事のあるアーティストの方々より近しい存在なので連絡が取り易かったという事もあるが、年齢も近く、また同じ職場で働いていた事もある位なので、社会的に置かれている立場の様なものも近いという事もあり、今撮影させて頂く対象として一番良いのではないかという思いもあったのだと思う。
僕自身、ライブ撮影活動を続けるのが困難な状況にあるのだが、松尾さんもミュージシャンとしての活動を続けるのは決して楽ではない状況だと思う。しかし、困難な状況の中頑張って活動を続けている松尾さんを頼もしく感じるし、同世代として励まされてもいる。
そのリスペクトの気持を持って撮影したいし、その事で僕自身ももっと頑張ろうという気持ちになれるのではないかという思いがあったのだ。
松尾さんからは快く承諾して頂けて、ライブ撮影とUstream配信させて頂く事が決まった。また、今まで写真とビデオの間で揺れ動いて来たが、当面ビデオに集中しようという考えから、今回はスチール撮影はしない事に決めた。今回掲載している写真は全てビデオデータからの切り出しである。
ちょうど2年前のもめん。のライブ撮影の際に突如思いついて始めたUstream配信だが、その時は急だった事もありiPhone1台での配信だったが、その後もっと高画質な配信を模索していたのだが、同じくもめん。のライブ撮影に合わせて購入したパナソニックのムービー一眼LUMIX GH1に撮影時の映像出力がなかった事で、ビデオ撮影用のカメラとは別にUst配信用のカメラを用意するしかなく、1台のカメラに集中出来ない為、その問題を何とかしたいと考えていたが、撮影自体長い期間行っていなかったので、その問題も棚上げにしたままだった。
今回の配信に向けて。その問題を何とか解決したいと考えていた矢先、パナソニックからGHシリーズの最新モデルのGH3がドイツのフォトキナで発表された。
その内容はプロの映像制作者の要望に応えられるもので、撮影時のHDMIスルー出力を搭載していた為、これこそ理想的なカメラと思い、購入を決意して国内発表を待ったが、結局12月13日と発売日がアナウンスされ、選択肢から外すしかなかった。
結局紆余曲折を経て、撮影時1080iのみHDMI出力されるGH2を購入し、HDMI出力をコンポジットへ変換するコンバータを通してPCレス配信機材のCrevo LiveShellに接続して配信する事にした。
ただ、ライブ直前になってLiveShellを通した音声のレベルがかなり小さい事が分かり、手持ちのマイクの出力が小さ過ぎるのかもしれないと考え、当日になってから松尾さんにマイクの手配を頼む等バタバタしての会場入りになった。
ライブハウスに行ってみると、LTE回線の圏外で3G回線の電波しか入らない事が分かった。ただし、EMOBILEの3Gは実効速度が速いし、事前のテスト配信ではライブをする様な時間帯はUstreamのゴールデンタイムでもあり、ネットワーク負荷というかサーバ負荷が大きく、LTE回線の速度を充分に生かす配信は行えない事は分かっていたので、アップロードが3G回線になってしまうのはそれほど大きな問題ではない。
問題の音声レベルの問題は、リハの模様をテスト配信し、それをiPhoneで視聴した所、流石にライブハウスでの演奏は音が大きいので、ややレベルは低いが充分なレベルで配信される事が分かって一安心した。
だが、テスト配信では問題なく配信出来ていたのが、本番が始まって直ぐ、iPhoneで配信を視聴出来なくなり、LiveShellはiPhoneに対応したコーデックではアップロードされていないので、UstreamのサーバでiPhoneで視聴出来る形式にリアルタイムで変換している為、変換の問題なのかオリジナルの配信自体出来ていないのか判別出来なかったので、ノートPCで確認しようとしたのだが、今度はノートPCがモバイルルータには接続出来るものの、インターネットに繋がらないというトラブルが発生した。
結局実際の配信状況が確認出来ないまま、あたふたしている間に第一部は終わってしまい、休憩を挟んで第二部が始まったが、第二部に入ってからはどうやら安定して配信出来る様になった様で、やっと撮影に集中出来る様になった。
後でアーカイブ(録画)を確認した所、何回か中断したりコマ落ちが発生したりしていたものの、思ったよりは録画されていた。しかし、それが配信も同じ状態だったのか、アップロードと録画までは出来ていても配信(ダウンロード)には支障があったのかは今となっては確認出来ない。
また、音声に関してはレベルは何とか充分だったものの、音質が薄くてスカスカな感じで、ライブの臨場感を充分に伝えているとは言い難いものだった。使用したマイクはこれまでカメラでの収録ではそれほど問題は感じた事がなかったので、LiveShellの音声周りが貧弱なのだと思うのだが、マイクが良くなればその分はマシになるだろうと考えて、新しいマイクを買う事にした。
配信に関しては、その様なトラブルもあったが、ライブは素晴らしいものだった。
松尾さんはベテランらしい円熟した演奏とMCでライブを盛り上げて行く。非常にリラックスした雰囲気で和やかで楽しい時間を過ごす事が出来た。
中でも嬉しかったのは現在4thアルバムを製作中という事で、新曲を沢山聴く事が出来た事だ。音楽活動を続けて行く上で、色々と状況的には厳しいものがあると思うのだが、音楽への情熱は覚めやらず、益々円熟した良い楽曲を作っている事に非常に感銘を受けた。
特に『おめめこらせば』は、素晴らしい曲だと思った。松尾さんには『人生は四十歳から』という曲があるが、新曲では『人生は四十歳からなんて、誰かが歌ってたけど・・』という歌い出しで始まり、10年前の自分をまるで他人の様に扱っているが、実際にその10年間の松尾さんの成長、成熟を感じさせられる曲だったと思う。『おめめこらせば』に比べれば、『人生は四十歳から』は良くも悪くも10歳分の若さ、青臭さが感じられる。
『人生は四十歳から』は四十歳以上の年齢層に向けたストレートな応援歌だったけど、『おめめこらせば』は50歳を前にして、気持に身体が着いて行かなくなった自分自身を自虐的に歌った歌で、ペーソスやユーモアを感じさせる曲であり、同性代以上のリスナーであれば、「あるある。」と自分になぞらえて、思わず泣き笑いしてしまいそうな曲だが、ひとしきり笑った後に、「よし、明日からまた頑張ろう。」と思わされる様な、実質的な応援歌になっていると思う。
その様な懐の深い、奥行きのある曲を書いた松尾さんの成長と成熟を強く感じ、非常に嬉しく感じたのだが、それは言い換えれば、この10年間の松尾さんの音楽活動というものが決して順風満帆なものではなく、困難の多いものだったのではないかとも感じさせられた。
しかし、その試練を乗り越え、その経験が松尾さんの曲を頼もしく、力強いものにしたのではないかと思う。
やはり松尾さんのライブを撮影させて頂く事にして良かったと思った。そして、頑張っている松尾さんの姿に励まされ、僕自身ももっと頑張らなければという気持にさせられたし、おぼろげながら今後やっていきたい事も見えて来た。
今回のライブは僕にとっても転機となるライブになったかもしれない。いずれにしても、1年半以上停滞してたライブ撮影活動の新しい一歩を踏み出した事は確かだし、やはりライブは良い、ライブ撮影は楽しいという事を再確認したライブだった。
Matsuo Kazushi Website:http://www33.ocn.ne.jp/~rocking_pine99/
by ko1kubota
| 2012-11-16 23:36
| Live Photo