2005年 06月 21日
山崎監督の新作上映会 |
前回ラ・カメラでの上映会では山崎監督の上映開始時間に間に合わなかった為、今日は改めて山崎監督の上映プログラムの為にラ・カメラに向かう。
山崎監督の新作は以前にCINE VIS CVINEMA 2005で観ている「ロートレックの路地」に加え「富士山に飛ぶ夢を見るまで」「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」の4本。よく考えたら既に観ている「ロートレックの路地」が最初の上映なので、多少遅れても未見の作品の上映には間に合ったんだなあと思い、そうすれば良かったかなと少し後悔する。
だが、「ロートレックの路地」は何度観ても楽しめる気持ちの良い作品だ。映像の動きの緩急の付け方がとても気持ちがいいのだ。
続く「富士山に飛ぶ夢を見るまで」「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」は、ある意味共通したコンセプトを違った手法で描いた作品で、山崎監督があるコンセプトを具現化して行く過程を観る事が出来る作品群とも言える。
共通するテーマは距離であり、「富士山に飛ぶ夢を見るまで」は直線、「スターレーンをめぐる円周軌道」は円、「武蔵野ブラウン運動」はランダムという形で距離を表現して行く。
「富士山に飛ぶ夢を見るまで」では富士山とそこにかかる雲の動きのインターバル撮影が沢山見られるのがインターバル撮影が好きで、自分でも雲のインターバル撮影をする(僕の場合は8mmやビデオではなく、デジカメで撮影してQuickTimeでムービーにするのだが)者としては非常に嬉しくて楽しめた。撮影対象の場所から撮影していた場所を逆に撮影するシーンも面白かった。
だが、全体としてはコンセプトを具体化して行く過程を山崎監督自身のナレーションによる解説で楽しむ作品と言えるだろう。どちらかと言うと山崎監督自身がこの作品では本来のコンセプトでの完成した作品として納得はしていないので、コンセプトを追求する過程を描くというコンセプトの作品として纏めているのだと思う。
「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」は、もう少しコンセプト寄りの作品になっているが、大きなコンセプトに繋がるひとつのアイデアをそれぞれ別個の作品として纏めていて、ワンアイデアの作品として一応完成はしているのだが、山崎監督としてはもっと先を見ていて、そこに至る為のアイデアの確認を主目的にした作品の様に思える。
どちらの作品も、都市を俯瞰で眺めるのが(地球が人間という生物が主に生殖している惑星だというのが実感出来て)好きな自分としては映像的に楽しめる気持ちの良い作品だったが、そういう変な趣味のない普通の人にはやや退屈な作品だったかもしれないと思う。
僕に取ってこの3作品はそれぞれ映像的に楽しめる作品ではあったが、本当に面白いのは山崎監督がコンセプトを追求していいく過程を作品という形で観る事が出来る事だと思う。今後この方向性のコンセプトの作品がどのように完成形に発展して行くのか非常に楽しみだ。
これまでも山崎監督の作品は複数の作品に渡ってコンセプトを追求して行く事はあったが、それは後から振り返ると分かるという感じで、その作品が発表された時点で明らかにそうと分かる様な作り方の作品はなかったと思う。特に今回の新作の中にはナレーションでコンセプトを解説しているものまであり、こういった作品作り自体山崎監督の新しい変化のひとつと感じる。それは最近山崎監督が講師として映像学の授業を受け持つ様になった事と関係があるのかもしれない。
上映後の打ち上げでは、山崎監督自身の口から次回作の方向性を示す様な言葉も聞かれた。こういう事も珍しいのではないかと思う。
また、話題はラ・カメラにゆかりのある人達の昔話になり、非常にユニークな方々の面白いエピソードを沢山聞く事が出来て非常に楽しかった。当たり前だが前回山崎監督の上映に間に合っていたら今日の話は聞けなかった訳で、前回間に合わなかったのも悪くはなかったと思えた。
前回は気がついたら山崎監督は先にお帰りになってしまったのだが、今日は新宿までご一緒して道すがら更に色々お話を聞く事が出来た。
話題は講師の仕事の事になり、山崎監督は自分は人に教えるのは向いていないのが分かったので今期限りで辞めようと考えているとの事だった。だが、人に教えるという経験は作家としての山崎監督にとっては色々良い影響をもたらしたのではないかと思う。
山崎監督の新作は以前にCINE VIS CVINEMA 2005で観ている「ロートレックの路地」に加え「富士山に飛ぶ夢を見るまで」「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」の4本。よく考えたら既に観ている「ロートレックの路地」が最初の上映なので、多少遅れても未見の作品の上映には間に合ったんだなあと思い、そうすれば良かったかなと少し後悔する。
だが、「ロートレックの路地」は何度観ても楽しめる気持ちの良い作品だ。映像の動きの緩急の付け方がとても気持ちがいいのだ。
続く「富士山に飛ぶ夢を見るまで」「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」は、ある意味共通したコンセプトを違った手法で描いた作品で、山崎監督があるコンセプトを具現化して行く過程を観る事が出来る作品群とも言える。
共通するテーマは距離であり、「富士山に飛ぶ夢を見るまで」は直線、「スターレーンをめぐる円周軌道」は円、「武蔵野ブラウン運動」はランダムという形で距離を表現して行く。
「富士山に飛ぶ夢を見るまで」では富士山とそこにかかる雲の動きのインターバル撮影が沢山見られるのがインターバル撮影が好きで、自分でも雲のインターバル撮影をする(僕の場合は8mmやビデオではなく、デジカメで撮影してQuickTimeでムービーにするのだが)者としては非常に嬉しくて楽しめた。撮影対象の場所から撮影していた場所を逆に撮影するシーンも面白かった。
だが、全体としてはコンセプトを具体化して行く過程を山崎監督自身のナレーションによる解説で楽しむ作品と言えるだろう。どちらかと言うと山崎監督自身がこの作品では本来のコンセプトでの完成した作品として納得はしていないので、コンセプトを追求する過程を描くというコンセプトの作品として纏めているのだと思う。
「武蔵野ブラウン運動」「スターレーンをめぐる円周軌道」は、もう少しコンセプト寄りの作品になっているが、大きなコンセプトに繋がるひとつのアイデアをそれぞれ別個の作品として纏めていて、ワンアイデアの作品として一応完成はしているのだが、山崎監督としてはもっと先を見ていて、そこに至る為のアイデアの確認を主目的にした作品の様に思える。
どちらの作品も、都市を俯瞰で眺めるのが(地球が人間という生物が主に生殖している惑星だというのが実感出来て)好きな自分としては映像的に楽しめる気持ちの良い作品だったが、そういう変な趣味のない普通の人にはやや退屈な作品だったかもしれないと思う。
僕に取ってこの3作品はそれぞれ映像的に楽しめる作品ではあったが、本当に面白いのは山崎監督がコンセプトを追求していいく過程を作品という形で観る事が出来る事だと思う。今後この方向性のコンセプトの作品がどのように完成形に発展して行くのか非常に楽しみだ。
これまでも山崎監督の作品は複数の作品に渡ってコンセプトを追求して行く事はあったが、それは後から振り返ると分かるという感じで、その作品が発表された時点で明らかにそうと分かる様な作り方の作品はなかったと思う。特に今回の新作の中にはナレーションでコンセプトを解説しているものまであり、こういった作品作り自体山崎監督の新しい変化のひとつと感じる。それは最近山崎監督が講師として映像学の授業を受け持つ様になった事と関係があるのかもしれない。
上映後の打ち上げでは、山崎監督自身の口から次回作の方向性を示す様な言葉も聞かれた。こういう事も珍しいのではないかと思う。
また、話題はラ・カメラにゆかりのある人達の昔話になり、非常にユニークな方々の面白いエピソードを沢山聞く事が出来て非常に楽しかった。当たり前だが前回山崎監督の上映に間に合っていたら今日の話は聞けなかった訳で、前回間に合わなかったのも悪くはなかったと思えた。
前回は気がついたら山崎監督は先にお帰りになってしまったのだが、今日は新宿までご一緒して道すがら更に色々お話を聞く事が出来た。
話題は講師の仕事の事になり、山崎監督は自分は人に教えるのは向いていないのが分かったので今期限りで辞めようと考えているとの事だった。だが、人に教えるという経験は作家としての山崎監督にとっては色々良い影響をもたらしたのではないかと思う。
by ko1kubota
| 2005-06-21 23:59
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