2008年 01月 15日
HINAKO na Night 4 |
今日はシンガーソングライター日名子さんのライブ『HINAKO na Night 4』が大手町のマンハッタンブルーで行われた。
今回は日名子さんのソロ・ライブだけでなく、その日名子さんと作曲家、松岡政長さんによるプロジェクトHINAKO-ARTとのジョイントライブだった。
日名子さんは僕が最も長く、そして回数も多く撮影させていただいて来たアーティストだ。僕は多くのアーティストの方々を撮影したいという気持ちもあるけど、どちらかというと限られたアーティストの方を継続して撮影して、その成長の過程を記録して行きたいという思いが強い。
日名子さんは僕がライブ撮影を始めた当初に撮影させていただく機会に恵まれたアーティストでもあり、また日名子さん自身もソロでのライブ活動を初めてまだ間もない頃という事もあって、自然に一番継続して撮影させていただく事になり、その成長の過程を撮影させていただく事になったし、その過程を通して僕自身もライブ撮影の経験を積ませていただく事が出来、多少は成長して来たのではないかと思う。
そういう意味で、撮影させていただいているアーティストの方の中でも、特別な思い入れのあるアーティストだと言える。
しかし、僕はこの2年間、日名子さんだけでなく、ライブ撮影そのものをほぼ出来ない状況下にあった。偶然だが、その2年間日名子さんも東京でのライブ活動はしていなかったようだ。今回は残念ながら撮影させていただく事は叶わなかったが、それでもこの東京での2年振りのライブを聴きに行く事が出来たのは嬉しかった。少し前だったら、聴きに来る事さえ出来なかった可能性もあったからだ。
勿論、撮影出来なかったのが残念ではなかったと言えば嘘になる。前述した様に思い入れのあるアーティストなので尚更だ。でも、思ったよりも心は穏やかだった。それは、やはりこの2年間ライブ撮影から遠ざかっていたという事が大きかったのだと思う。コンスタントにライブ撮影をしていた頃だったら、ライブに来て撮影出来ないという状況はかなり辛く感じたと思う。
実際、ライブ撮影をコンスタントにしていた頃には、たまに撮影以外で純粋にライブを聴きに行っても、ライブの間、もしこのライブを撮影するとしたら、どうやって撮ろうとか、「あ、今の表情は撮りたかったな」とか、撮影の事ばかり考えてしまって、かえって音楽を純粋に聴く事が難しかったものだ。
しかし、ライブ撮影から遠ざかっている現在は、ライブ撮影をしないという状態が当たり前という感覚になってしまっているのだろう。
その事を少し寂しく感じながらも、ライブ自体も久しぶりなので、その久しぶりのライブを存分に楽しみたいと思った。
マンハッタンブルーはとても雰囲気の良いお店で、この日はビッフェ形式の食事付きのライブだったのが、食事も大変おいしく料金から考えるとかなり豪華でお得だと感じた。
ライブの最中に料理を取りに行くのは流石にはばかられるが、2部構成のライブなので、ライブ開始前と1部と2部の間の休憩時間に料理を取りに行く時間は充分にあった。
日名子さんのライブは久しぶりのライブとは思えない程、堂々としたもので、いつも通りアットホームでリラックスして楽しめる内容だった。オリジナルもカヴァーでも日名子さんのヴォーカリストとしての実力を強く感じさせるもので、より一層ヴォーカリストとして成長、成熟したのではないかと感じさせられた。
また、それに加えて今回初披露された新曲では、ソングライターとして一回りスケールアップしたと言っていい位成長したのではないかと感じた。日名子さんの曲は、日名子さん自身の思いが込められたしっかりとした内容のあるもので、例えば日名子さんと同年代の女性だったら凄く共感を覚えるのではないかと思える、等身大の日名子さんが投影された様な素敵な曲が多いのだが、今回の新曲はもう少し普遍的な世界に広がりを見せた様な印象を受けた。
おそらく、ヴォーカリストとしてだけでなく、人間としてもソングライターとしても、一回り成長した事が新曲に反映されたという事ではないだろうか?
ソングライターとしては、HINAKO-ARTで松岡政長さんと一緒に音楽制作をした経験から、様々な刺激を受けたり、吸収した事も多かったのではないかと思う。
そして、この2年間の間に、音楽活動以外に日名子さんがどの様な日々を過ごして来たかは知る由もないが、ライブ活動を余り行わなかったこの期間を、日名子さんは人間的に成長する様な良い過ごし方をして来たのだろうと想像させるに充分な素晴らしい新曲だった。
今日、このライブに来て、この新曲を聴けた事は本当に良かったと思う。
また、ライブ中にはいつも日名子さんのサポートをしている弘田さんのご結婚の報告もあり、大変嬉しかった。弘田さんはいつも僕に気をかけてくれて声をかけて下さるし、日名子さんのサポートにも本当に熱意を持って取り組まれていて、まるで妹を見守る兄の様な暖かさを感じさせるギターを奏でる、本当に人柄が素晴らしいと感じる人なので、僕が祈らなくても幸せになるに決まっていると思うけど、本当に幸せになって欲しいと思う。
そして、休憩を挟んでいよいよ念願のHINAKO-ARTのライブだ。HINAKO-ARTの松岡政長さんは、本当に大好きな作曲家なので、その松岡さんが日名子さんと組んでHINAKO-ARTをやるという話を聞いた時は本当に興奮したものだし、出来上がった楽曲は想像以上に素晴らしいものばかりだった。
だが、これまでHINAKO-ARTの単独ライブはほとんどなく、多分一度しかなかったと思うのだが、僕はそれを聴く機会には恵まれなかった。そして、HINAKO-ARTのライブが何らかの事情で予定通り行えず限定された形になってしまった事もあった。それ以外にも日名子さんのライブの中でゲスト的な感じでHINAKO-ARTの曲が2〜3曲披露される事はあったけど、HINAKO-ARTとしての正式なライブを聴くのは今回が初めてだ。
HINAKO-ARTのライブは、打ち込みに合わせて、日名子さんの生ヴォーカルに松岡さんの生ピアノ、そして曲によって力丸 潮さんが篠笛で加わるという構成で行われた。
打ち込みはノンストップで流れ、曲間のMCもなしで、少しのミスも許されないという非常に緊張感に満ちたものだった。特に篠笛の力丸さんは途中の曲から入る為、最初は客席にいて出番が近づいてからステージに上がったのだが、試し吹きも出来ず途中から曲に加わらなければならないと思うと、見ている僕の方が緊張してしまう程だったが、見事に何のミスもなく滞りなくノンストップのライブは進行した。
日名子さんは、まるでホームパーティに来た友人をもてなす様なアットホームな雰囲気の素のままの日名子さんを感じさせるソロ・ライブとは一変して、HINAKO-ARTのヴォーカリストという役を舞台の上で演じる事に徹しているという感じだった。それはソロ・ライブの時の日名子さんとは別人の様なオーラを発散する見事なもので、大分で演劇活動をしている日名子さんの役者・演出家としての力量も感じさせるライブだった。おそらく、MCなしというのも日名子さんの演出プランによるものなのだろう。
HINAKO-ARTの曲は打ち込みのイメージが強いが、ライブでは打ち込みのパートはむしろ控えめで、松岡さんのピアノ、力丸さんの篠笛の生演奏の迫力が強く全面に出ていて、それに勿論日名子さんの生のヴォーカルを加えた、生演奏の醍醐味、ライブの醍醐味を存分に味わえるものだった。
僕はとにかくその迫力に完全に圧倒されてしまい、息を殺す位の感じで演奏に集中して聴き入っていた。それはまるでライブ撮影をしている時の様な集中で、ライブが終わった時の集中が解けて行く感覚も撮影の時と良く似ていた。
ライブを聴きながら撮影の事を考えていた訳でなく、撮影をしていないのに撮影している時と同じ様な集中をしてライブを聴いたというのは初めての経験だった。
僕がライブ撮影をしてるいのは、勿論それが理由の全てではないが、ライブ撮影をしている時の完全に集中しているあの感覚を味わいたいというのも理由のひとつなので、あの感覚を撮影しないでも味わう事が出来るというのは新しい発見だった。
ライブが終わって、日名子さんと松岡さんと少しお話しする事が出来た。松岡さんからはブログの更新がないので心配していたと言っていただき大変恐縮する(なのにこの日の事をブログに書くのが凄く遅れてしまいました。申し訳ない。)。
とにかく素晴らしいライブで、充実した幸せな気持ちで帰路についた。だが、その一方でこれまで頭では分っていても認めたくなかった事に実感を持ってしまったライブでもあった。
僕はこの2年、いやコンスタントにライブ撮影をするのが難しくなって来たそれ以前から、今はたまたまライブ撮影が難しい状況だけど、状況が好転したらまたコンスタントにライブ撮影をする生活に戻るんだと思って来た。しかし、ここまでブランクが空いてしまうと、これが一時的な事ではなく元に戻る事は難しいと認めざるを得ないだろう。
とにかく、僕は人生の曲がり角を大きく曲がってしまったのだという事は認めなくてはいけない。そして、また元に戻りたかったら、漫然とこのまま状況が変わるの待っているのではなく、また大きく曲がり角を曲がらないと不可能なのだと認識しなければならない。
その事をしっかりと実感出来たのも、今日の収穫だったと言えるだろう。どうすれば再び人生の曲がり角を大きく曲がれるかはまだ分らないけれど。
HINAKO公式サイト:http://homepage2.nifty.com/hina-five/
HINAKO-ART公式サイト:http://www.hinako-art.com/
今回は日名子さんのソロ・ライブだけでなく、その日名子さんと作曲家、松岡政長さんによるプロジェクトHINAKO-ARTとのジョイントライブだった。
日名子さんは僕が最も長く、そして回数も多く撮影させていただいて来たアーティストだ。僕は多くのアーティストの方々を撮影したいという気持ちもあるけど、どちらかというと限られたアーティストの方を継続して撮影して、その成長の過程を記録して行きたいという思いが強い。
日名子さんは僕がライブ撮影を始めた当初に撮影させていただく機会に恵まれたアーティストでもあり、また日名子さん自身もソロでのライブ活動を初めてまだ間もない頃という事もあって、自然に一番継続して撮影させていただく事になり、その成長の過程を撮影させていただく事になったし、その過程を通して僕自身もライブ撮影の経験を積ませていただく事が出来、多少は成長して来たのではないかと思う。
そういう意味で、撮影させていただいているアーティストの方の中でも、特別な思い入れのあるアーティストだと言える。
しかし、僕はこの2年間、日名子さんだけでなく、ライブ撮影そのものをほぼ出来ない状況下にあった。偶然だが、その2年間日名子さんも東京でのライブ活動はしていなかったようだ。今回は残念ながら撮影させていただく事は叶わなかったが、それでもこの東京での2年振りのライブを聴きに行く事が出来たのは嬉しかった。少し前だったら、聴きに来る事さえ出来なかった可能性もあったからだ。
勿論、撮影出来なかったのが残念ではなかったと言えば嘘になる。前述した様に思い入れのあるアーティストなので尚更だ。でも、思ったよりも心は穏やかだった。それは、やはりこの2年間ライブ撮影から遠ざかっていたという事が大きかったのだと思う。コンスタントにライブ撮影をしていた頃だったら、ライブに来て撮影出来ないという状況はかなり辛く感じたと思う。
実際、ライブ撮影をコンスタントにしていた頃には、たまに撮影以外で純粋にライブを聴きに行っても、ライブの間、もしこのライブを撮影するとしたら、どうやって撮ろうとか、「あ、今の表情は撮りたかったな」とか、撮影の事ばかり考えてしまって、かえって音楽を純粋に聴く事が難しかったものだ。
しかし、ライブ撮影から遠ざかっている現在は、ライブ撮影をしないという状態が当たり前という感覚になってしまっているのだろう。
その事を少し寂しく感じながらも、ライブ自体も久しぶりなので、その久しぶりのライブを存分に楽しみたいと思った。
マンハッタンブルーはとても雰囲気の良いお店で、この日はビッフェ形式の食事付きのライブだったのが、食事も大変おいしく料金から考えるとかなり豪華でお得だと感じた。
ライブの最中に料理を取りに行くのは流石にはばかられるが、2部構成のライブなので、ライブ開始前と1部と2部の間の休憩時間に料理を取りに行く時間は充分にあった。
日名子さんのライブは久しぶりのライブとは思えない程、堂々としたもので、いつも通りアットホームでリラックスして楽しめる内容だった。オリジナルもカヴァーでも日名子さんのヴォーカリストとしての実力を強く感じさせるもので、より一層ヴォーカリストとして成長、成熟したのではないかと感じさせられた。
また、それに加えて今回初披露された新曲では、ソングライターとして一回りスケールアップしたと言っていい位成長したのではないかと感じた。日名子さんの曲は、日名子さん自身の思いが込められたしっかりとした内容のあるもので、例えば日名子さんと同年代の女性だったら凄く共感を覚えるのではないかと思える、等身大の日名子さんが投影された様な素敵な曲が多いのだが、今回の新曲はもう少し普遍的な世界に広がりを見せた様な印象を受けた。
おそらく、ヴォーカリストとしてだけでなく、人間としてもソングライターとしても、一回り成長した事が新曲に反映されたという事ではないだろうか?
ソングライターとしては、HINAKO-ARTで松岡政長さんと一緒に音楽制作をした経験から、様々な刺激を受けたり、吸収した事も多かったのではないかと思う。
そして、この2年間の間に、音楽活動以外に日名子さんがどの様な日々を過ごして来たかは知る由もないが、ライブ活動を余り行わなかったこの期間を、日名子さんは人間的に成長する様な良い過ごし方をして来たのだろうと想像させるに充分な素晴らしい新曲だった。
今日、このライブに来て、この新曲を聴けた事は本当に良かったと思う。
また、ライブ中にはいつも日名子さんのサポートをしている弘田さんのご結婚の報告もあり、大変嬉しかった。弘田さんはいつも僕に気をかけてくれて声をかけて下さるし、日名子さんのサポートにも本当に熱意を持って取り組まれていて、まるで妹を見守る兄の様な暖かさを感じさせるギターを奏でる、本当に人柄が素晴らしいと感じる人なので、僕が祈らなくても幸せになるに決まっていると思うけど、本当に幸せになって欲しいと思う。
そして、休憩を挟んでいよいよ念願のHINAKO-ARTのライブだ。HINAKO-ARTの松岡政長さんは、本当に大好きな作曲家なので、その松岡さんが日名子さんと組んでHINAKO-ARTをやるという話を聞いた時は本当に興奮したものだし、出来上がった楽曲は想像以上に素晴らしいものばかりだった。
だが、これまでHINAKO-ARTの単独ライブはほとんどなく、多分一度しかなかったと思うのだが、僕はそれを聴く機会には恵まれなかった。そして、HINAKO-ARTのライブが何らかの事情で予定通り行えず限定された形になってしまった事もあった。それ以外にも日名子さんのライブの中でゲスト的な感じでHINAKO-ARTの曲が2〜3曲披露される事はあったけど、HINAKO-ARTとしての正式なライブを聴くのは今回が初めてだ。
HINAKO-ARTのライブは、打ち込みに合わせて、日名子さんの生ヴォーカルに松岡さんの生ピアノ、そして曲によって力丸 潮さんが篠笛で加わるという構成で行われた。
打ち込みはノンストップで流れ、曲間のMCもなしで、少しのミスも許されないという非常に緊張感に満ちたものだった。特に篠笛の力丸さんは途中の曲から入る為、最初は客席にいて出番が近づいてからステージに上がったのだが、試し吹きも出来ず途中から曲に加わらなければならないと思うと、見ている僕の方が緊張してしまう程だったが、見事に何のミスもなく滞りなくノンストップのライブは進行した。
日名子さんは、まるでホームパーティに来た友人をもてなす様なアットホームな雰囲気の素のままの日名子さんを感じさせるソロ・ライブとは一変して、HINAKO-ARTのヴォーカリストという役を舞台の上で演じる事に徹しているという感じだった。それはソロ・ライブの時の日名子さんとは別人の様なオーラを発散する見事なもので、大分で演劇活動をしている日名子さんの役者・演出家としての力量も感じさせるライブだった。おそらく、MCなしというのも日名子さんの演出プランによるものなのだろう。
HINAKO-ARTの曲は打ち込みのイメージが強いが、ライブでは打ち込みのパートはむしろ控えめで、松岡さんのピアノ、力丸さんの篠笛の生演奏の迫力が強く全面に出ていて、それに勿論日名子さんの生のヴォーカルを加えた、生演奏の醍醐味、ライブの醍醐味を存分に味わえるものだった。
僕はとにかくその迫力に完全に圧倒されてしまい、息を殺す位の感じで演奏に集中して聴き入っていた。それはまるでライブ撮影をしている時の様な集中で、ライブが終わった時の集中が解けて行く感覚も撮影の時と良く似ていた。
ライブを聴きながら撮影の事を考えていた訳でなく、撮影をしていないのに撮影している時と同じ様な集中をしてライブを聴いたというのは初めての経験だった。
僕がライブ撮影をしてるいのは、勿論それが理由の全てではないが、ライブ撮影をしている時の完全に集中しているあの感覚を味わいたいというのも理由のひとつなので、あの感覚を撮影しないでも味わう事が出来るというのは新しい発見だった。
ライブが終わって、日名子さんと松岡さんと少しお話しする事が出来た。松岡さんからはブログの更新がないので心配していたと言っていただき大変恐縮する(なのにこの日の事をブログに書くのが凄く遅れてしまいました。申し訳ない。)。
とにかく素晴らしいライブで、充実した幸せな気持ちで帰路についた。だが、その一方でこれまで頭では分っていても認めたくなかった事に実感を持ってしまったライブでもあった。
僕はこの2年、いやコンスタントにライブ撮影をするのが難しくなって来たそれ以前から、今はたまたまライブ撮影が難しい状況だけど、状況が好転したらまたコンスタントにライブ撮影をする生活に戻るんだと思って来た。しかし、ここまでブランクが空いてしまうと、これが一時的な事ではなく元に戻る事は難しいと認めざるを得ないだろう。
とにかく、僕は人生の曲がり角を大きく曲がってしまったのだという事は認めなくてはいけない。そして、また元に戻りたかったら、漫然とこのまま状況が変わるの待っているのではなく、また大きく曲がり角を曲がらないと不可能なのだと認識しなければならない。
その事をしっかりと実感出来たのも、今日の収穫だったと言えるだろう。どうすれば再び人生の曲がり角を大きく曲がれるかはまだ分らないけれど。
HINAKO公式サイト:http://homepage2.nifty.com/hina-five/
HINAKO-ART公式サイト:http://www.hinako-art.com/
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by ko1kubota
| 2008-01-15 23:39
| Artist